エルトン・ジョン財団からの寄付
英国のエルトン・ジョン財団より、シアヌーク病院 HIV/エイズ部の啓蒙活動に対する支援として、$17,000 (英ポンド£11,200 )の寄付を戴きました。ボランティアは、エイズ末期患者の方々をお風呂に入れ、体をきれいにしたり、食事を与えるなどの介護に当たっています。自らの時間や余暇を充てて、53 人のボランティアは、毎週6 日、地方病院や地域社会で平均53 人の患者を訪問しています。患者のほとんどは、エイズ感染者として社会から忌避されていたり、支援または慰安してくれる人がいません。
シアヌーク病院のギリアン・ホール医師は、この価値ある任務を継続させていきたいと情熱を燃やしてきました。その活動の初年度には世界銀行の支援を受け、また英国のエルトン・ジョン財団を訪れています。彼女は、財団に対して、カンボジアの業病に苦しむ人々のために、無償で献身しているボランティアへの支援を依頼する手紙を送付したのでした。
この寄付は、ボランティア・コーディネータのシャベリスさん及び彼の助手の1 年間の給与、そしてボランティアの交通費、患者のための基本的な食費や衣服費の支払いなどに充てられます。また最初の12 回のトレーニングプログラムに使用される教育資料の充実や、 HIV 部の医師に対する研修の月に1 日分の資金としても活かされる予定です。
HIV教育指導者の訪問
厚生省およびユネスコが後援するHIV 教育者養成プログラム研修を受講した、22 人のグループが当病院を訪れ、HIV/エイズ問題を討議しました。これらの国定インストラクターは、60 人の地方インストラクターを養成、この60 人は各地方に派遣されて700 人の中学教師の指導にあたり、最終的に81,000 名におよぶ中学生に対するエイズ教育が実現することになります。
カリキュラムには、基礎HIV 知識、セックスでの保護法、そして感染者の支援などが盛り込まれています。学校の保健教科書の内容改正に動いている医師たちは、 HIV 部長ギリアン・ホール医師、ネイビー医師とHIV 治療における患者の病歴について討議し、またエイズ関連疾病の患者が辿る悲劇的な経過の予測について、意見を交換しました。
日本のバクスター社が手術用手袋を寄付
外科手術用手袋167,000 セットを寄贈くださったヒラヤマ・ケンジ氏、ボブ・ハーレー氏、そして日本のバクスター社に対して、厚く謝意を表します。
私たちは、普遍的な警戒と院内感染の予防教育を徹底しており、そのためにも外科手袋はなくてはならない備品の一つです。
厚生大臣マム・ブンヘン医師を通じ、患者治療で提携している8 病院および、医療機関にこれらの消毒済手袋56,000 セットを寄付させていただきました。アンコール小児病院、カンタ・ボッパ地方病院、国立小児科病院、ノロドム・シアヌーク病院、カンボジア生殖健康協会、そしてプレア・コサマック病院からの代表者が出席し、略式の贈呈式が行われました。バーナード・クリッシャー氏とマム・ブンヘン大臣が挨拶、厚生省のエン・フオット事務局長、厚生省管理経理部長のクイセアン医師が参席されました。
一家族から寄付された機器が、 メーカーの好意で3倍に!
ヴィック・ロサスコさんは、70 歳の誕生日に、息子のマークさんから、病院の救急モニター装置購入に充ててくださいと$15,000 をプレゼントされました。それが、機器の製造元であるマルケット社の善意で、なんと$65,000 の価値あるスケールアップを遂げて、納入されることになったのです。
当病院を訪問した際に、血中酸素量モニターに繋がれている重態の若いマラリア患者を見て、心痛む思いをされたというマークさん。しかしモニターは病棟全体に1 台しかないため、次々と患者間を移動させていかなければなりません。この窮状を見て、当時開設予定であった集中治療室用に、同様のモニター装置を寄付したいと強く願った彼の善意は、父親の賛同を受けたのです。
当病院では、すでに二つの手術室のためにマルケット社から寄贈いただいた2 台のモニターがあり、その活用には十分な経験が蓄積されていました。我々の在米医療支援役員であるウォルター・コトコウスキー氏が、マルケット社アジア太平洋地区担当部長のビル・コーン氏とのコンタクトをとり、日々病院を訪れる多くの重態患者を救うために、ロサスコ一家からの寄付を最大限に活かしていただけないかと協力を求めたのでした。ロサスコさんの志を受けたコーン氏は、1 台の費用で3 台のモニターの提供を約束してくださったのです。
こうして、現在私たちは、手術室の隣にICU (集中治療室)の開設準備に力を入れています。我々の超音波機器は、最近、放射線機器近傍に移動され、看護婦たちもこのサービス開始のための研修を受けています。このような素晴らしい贈り物をくださったロサスコさんご一家と、温かいご配慮を戴いたマルケット社に対して、深く感謝の意を捧げたいと思います。彼らの善意によって、命を救われる患者やその恩恵を受ける家族たちの数は、何倍にも増えることでしょう。
ユナイテッド・ラボラトリーズ社が、医薬品を寄贈
フィリピンのユナイテッド・ラボラトリー社より、大量のアナルジェシックス、ビタミンおよび経口水和タブレットをご寄付いただきました。すべて非常に需要の大きかった品目であり、多くの患者の福音となることでしょう。
救急治療室、入院病棟、研修室にてボランティアが大活躍
マイケル医師、クリスティ・ステファン医師が、救急治療室を支援
マイケル・ステファン医師は、現在カリフォルニア州リンウッドのセント・フランシス・メディカルセンターの救急治療部副部長を務めており、前UCLA メディカルセンターの救急医療のレシデントでもありました。かれは、UCLA ドリュースクール出身のクリスティー夫人と共に、当病院を支援にお越しくださいました。彼らは、救急治療室のスタッフと共同作業したり、最先端の心臓生命保持技術についてスタッフに講義するなかで、スタッフの熱烈な向学心に感銘を受けたそうです。彼らの表現を借りれば、“怒濤のような”需要にもかかわらず、スタッフがゆるぎない結束力を誇っていることに心動かされたといいます。
「外国人スタッフとカンボジア人スタッフの協力体制の見事さに目をみはりました。全員が、カンボジアの患者たちに心のこもった質の高い医療を提供するという、一つの共通の目標に向かって団結しています」
と、マイケル・ステファン医師は称賛されています。 |