着実な成長
シアヌーク病院の多くの部門が、向上と発展をつづけています。このことは、今月達成した、いくつもの実績に証明されています。注目すべき変化としては、次のものが挙げられます。
■ 7人のカンボジア人スタッフが上級インターンに昇進
■ 4台の医療ベッドを追加設置
■ 4台の外科ベッドを追加設置
■ X線診断サービス開始
■ アジアからの医薬品供給源を改善
貧しい患者のために、24時間体制で高質の無料医療を提供しているシアヌーク病院。上記のような発展も、そうした患者治療のかたわら、教育や専門的研修にも尽くしている我々の地方および外国人スタッフの貢献があって、可能となったものです。支援者や寄付をしてくださった方々の真心のおかげで、プノンペンほか各地から訪れる患者に施す医療の向上を図りつつ、こうしたサービスも可能となってきました。
現在、総勢97名のカンボジア人スタッフを擁しており、うちわけは内科医22人、外科医2人、看護婦54人、X線技師3人、消毒スタッフ1人、薬局スタッフ6人。その全員が知識と責任感に著しい進歩を遂げています。こうした能力の向上にともなって、より多くのはるかに複雑な症状の患者に対する対応が可能になっています。
カンボジア人医師7名がリーダーに昇進
医療専門家にさらに進んだ教育を提供するという当病院の使命のもと、専門的能力の向上と技術の進歩を評価された7名のカンボジア人医師が、上級インターンへの昇進辞令を受けました。
アンパー、ブンセ、キム・メン、クルイ、ガク、ソピーク、ソファルの各医師です。今後は患者管理や同僚の教育に、より大きな任務を負うことになります。
このことは、将来におけるカンボジア人によるリーダーシップの実現に向けて、記念すべき道標となることでしょう。
リハビリテーション・義足製作会社と提携して、出張外科診療
プレア・ヴェヘア県は、カンボジア北部のタイ・ラオス国境の近くに位置しています。こうした辺境地区に住む貧困者が直面する医療の劣悪さは甚だしく、有効な外科治療とは無縁ということもしばしばです。
『ベテランズ・インターナショナル』(VI)は、シルク製品、染色、撚糸、織繊などを中心とした優れた職業訓練リハビリテーションユニットをその県都に設立しています。
プノンペンまで多数の患者を搬送するには、高額の費用がかかります。そのためVIスタッフは、当病院外科部長のグラハム・ガムリー氏がプレア・ヴェヘア県に出張診療に訪れるよう、手配をしました。
本国で唯一の軽飛行機は遠隔地区に飛び、ジャングルの中に切り開かれた汚い滑走路に着陸しました。患者たちはシルク工場に集結し、木陰で戸外診療が行われました。
診療を受けた患者のうち、8人はシアヌーク病院のベッドが空き次第、手術が必要な状態でした。このような協力ベンチャーは、コストを最小限に抑制する有効な手段であり、我々の患者治療努力の効果を、何倍にも増大させるものであるといえましょう。
HIV部設立!『AIDS感染対策には集中的努力が必須』
アジアにおけるHIV感染の最速国という汚名を蒙っている、カンボジア。こうした事態を重視した当病院は、この業病の予防、患者治療およびスタッフ教育に集中するための専門部門を設立しました。
HIV部長としてギリアン・ホール医師の監督の下、ソク・ファン医師がカンボジア人内科医を引率し、HIV支援グループの創設に尽力し、また世界銀行から財政支援を受けたボランティア教育プログラムを開発したガク医師、ネイビー医師の協力を得ることになります。さらに、HIVカウンセラーのソチェアさん、ボランテイア・コーデイネーターとしてチャベリスさん、そして看護婦のロサさん、ソチェットさん、ラッシさん、ソテアさん、ファリーさんが加わります。彼らの任務としては、予防、教育、検査・カウンセリング・患者介護・運営管理および治療に関する他スタッフの研修、などが予定されています。臨床的症状を呈示している患者たちに月間90件のHIVテストが実施されているなかで、70%が陽性という現状です。当病院はHIVカウンセリングの分野でリーダー的存在との認識を受けており、政府機関や他の非政府組織と協力して、提携サービスや治療を進めてゆくことになります。 |