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2003 1
マンスリーレポート
シアヌーク病院が、国際糖尿病連盟の会議に代表として出席

シアヌーク病院が、北京で開催された国際糖尿病連盟の
会議にカンボジア代表として出席


 当病院内科部長ジェニファー・ハインス医師、マー・リシー医師、そして内科助手ネップ・チュンナさんを、先般北京で開催されたIDF国際糖尿病連盟の西太平洋地区会議に派遣することができました。この参加によって、カンボジアにおける糖尿病に対して、互いに認識を新たにすることができました。当病院カンボジア人スタッフは、アジアの広い地域にわたる、糖尿病の発生を目の当たりにしています。また、一方、彼らは、地方のアジアコミュニティーのなかで、増え続けるカンボジア人の糖尿病患者について情報を交換することができました。

 ハインス医師、リシー医師およびチェンナさんは、世界保健機構およびIDFからの役員たちと共に、カンボジア初の糖尿病に対する伝染病的研究を推進していく可能性を見出しました。
 シアヌーク病院の糖尿病クリニックでは、すでに千人の患者が診療を受け、毎週新たに二十人の糖尿病患者が発見されています。
  会議出席後、この当病院糖尿病チームは、この病気を殲滅するための現在のコミュニテイ活動および教育プログラムを発展させていくことの重要性を確認しました。


国境なき医師団との提携で早速の成果

 国境なき医師団とシアヌーク病院は、相互の研修パートナーシップを継続していくことで合意しました。当病院のカンボジア人医療スタッフがスレム・リープ県のソトニクム県立病院の同僚に指導を続けていくことになったものです。
  当病院の独自の医師・看護婦チームによる教育プログラムにより、医師・看護婦の協力関係が改善され、より優れた患者管理を実現できることが証明されています。

 過去数ヶ月、講師を務めてきた三人の医師ブンセ、キム・メン、ソファールと四人の看護婦イン・メニ、マラ、ラッシ、サムオエウンは、すでに多大な影響を与えています。四月に行われた予備査定で、ソトニクム県担当のコンサルタントは、研修後、超音波、X線および臨床検査の受注が増大し、診断技術も向上していることを報告しています。また、このコンサルタントは、医師や看護婦がより多くの対話時間を割くようになっているため、患者の満足度も著しく高まっていると評価しています。

 こうした研修プログラムの好影響を増大させ、またカンボジアの医療専門教育家を一層推進していくという視点から、それらの講義をビデオ収録し、カンボジアでは初のクメール語による教材を作成する企画も提案されています。このプロジェクトは、カンボジアの教育と福祉制度を蘇らせる極めて意義深いものであります。

患者の物語
チェン・サレーム君
 男子の平均就学年数がわずか二年というこの国で、チェン・サレーム君は、例外でした。将来先生になることを決心したチェン君のために、家族は、十二年間の通学ができるよう、あらゆる犠牲を払ってきたのです。しかし、激痛を伴う呼吸困難に襲われたチェン君は、地元の医者で誤診と不適切な治療を受けて症状が悪化、すべての努力が水泡に帰したかのように思われました。

 当病院に到着した時、チェン君は呼吸困難と痛みが激しく、立っているのがやっとという状態で、救急治療室の医師も、一時は生存の可能性は乏しいと判断したほどでした。胸部X線と心電図を撮影したところ、大量の体液に浸かった異常な心肥大が認められました。一リットルにも及ぶ液体を排出したところ、症状がたちまち好転をはじめ、呼吸も楽になって痛みも軽減、歩けるようになったのです。

 結核治療のため、八ヶ月にわたる投薬が処方され、無事退院できたサレーム君は、語学とコンピュータ科学の勉強に復帰できました。サレーム君の父親は、病院スタッフから受けた治療と献身的介護の効果に驚いていました。サレーム君は、先生は尊い職だと思います。肉体的な強靭さよりも、心の強さが求められますからと語っていました。

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