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2003 4
マンスリーレポート
王妃が患者と医療スタツフを激励

 王妃のご訪問は、患者とスタッフにとって生涯の思い出になりました。王妃は、当病院を訪問し、内科及び外科病棟の全入院患者二十四人に対して、治療セットを下賜され、深い愛と慈悲を表されました。さらに、王妃とシアヌーク国王は、病院運営のためにと一万ドルを寄付してくださったのです。この浄財は、貧困患者の救済のために活用される予定です。

「今まで、王妃は写真でしか見たことがありませんでした。握手していただけたなんて、信じられません」
と患者のカオ・スンさん。

王妃の慈悲に元気づけられたというソフィープさんは、
「王妃は、私が病気であることに悲しみを示してくださいました。病院のお医者さんや、看護婦さんを信頼するよう励まして下さり、私の病気が回復することを願っていますという、身に余るお言葉をいただいたのです」
医師、看護婦および他のスタッフは、王妃より「カンボジアの貧しい弱者である患者たちのために、今後も精一杯尽くしてください」という杢言葉を賜りました。誰にも知られず、黙々と時間と労力を捧げて献身してきた者も少なくないスタッフにとって、そのお言葉は、このうえない勇気と励みになったのです。

「王妃にお目にかかれたことは、たいへんな名誉であり、光栄でした」
と、ポツト外科医が感激の面持ちで語っていました。

「病院の業務を、王妃がどれほど高く評価してくださっているかを知ることができ、いま病院全体の士気が、この上なく高まっています」

患者の物語
「手の機能が回復!」 キツト・シアビーさん
 20年前に遭った事故以来、シアビーさんの右手は変形し、使えなくなっていました。二歳の時に火の中に滑り落ち、中指、人差し指、薬指に重い火傷を負いました。手指の表側には、深い傷跡が残り、その傷が収縮した時に、指を手のひら側に引っ張る形になってしまっていたのです。手が発育しても、傷の入った組織は成長が止まっていたため、現在25歳になるキットさんの手は、いつも握りこぶし状態でした。

 幸運にも、米デンバーから訪問中のデビッド・シュナー客員手外科医が、損傷組織を除去し、新しい皮膚を移植する複雑な手術を執刀して下さいました。指先に感覚を伝達する二つの神経と、指に血液を送る動脈を傷つけないよう、非常に繊細な配慮を要する難手術となりました。
 手術は見事成功し、現在、シアビーさんは、手を握ったり開いたりできる能力を維持するための物理療法を受けています。

 この症例のような変形症は、カンボジアにはたいへん多く、多くの地方では、そうした傷が貧困や適切な医療機関へのアクセス不能のために、長年放置されたままになっています。こうした現状を打開し、将来の治療体制を整えるため、当病院の7人の外科医に対する実地研修を推進していく予定です。
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