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2003 8
マンスリーレポート
患者の物語 マオ・サーレムさん
患者の物語
マオ・サーレムさん
 5ヶ月半にわたって体調不良で苦しみ、元気を取り戻したいと切望していた54歳のサーレムさん。絹のスカートを織り、とうもろこしを栽培して得られるサーレムさんと夫の収入を合わせても、治療を受ける余裕がありませんでした。そんなサーレムさんに、シアヌーク病院で無料の治療を受けたお隣の住人が、病院を紹介してくれたのです。
 夫婦で地元の村を出発したのですが、病院に到着したときには、閉塞した大腿ヘルニアから生じた重度感染症に起因する敗血性ショックを起こしており、緊急手術が必要でした。

 医師団はサーレムさんの腹部から一リットルの黄色の液体を排出し、小腸の一部を切除し、体外への開口部をつくりました。この開口部は、今後の手術で閉じることになります。当病院が扱っている多くの他の患者同様、彼女にも合併症状がみられました。検査の結果、高血圧、糖尿病、肝硬変、貧血を抱えていることが判明。これらの症状に対する治療を行いながら、医師団は二次手術のリスクと利点について検討しました。

 複雑で難度の高い症例でしたが、無事二次手術も成功しました。半月ほどでマオさんは退院し、通院治療をつづけながら、仕事にも復帰できたのです。
 「お医者さん、看護婦さんたちは本当に温かく治療してくださいました。本当にありがとうございました。」
 と、サーレムさんは満面に喜びと感謝を表していました。
スタッフの横顔
リム・センさん
 54歳になるリム・センさんは、1998年6月以来、警備チームの中心的存在です。彼は、同僚と患者に対する強い責任感、気さくさ、献身的な勤務態度が評価され、今月の最優秀スタッフとして表彰されました。
 警備部部長のキム・ビチェットさんは、他の警備スタッフにとって、彼が模範的な存在であると称えています。センさんは、病気のときも決して休まないほど、たいへん勤勉です。常に穏やかで、他人を励まし、忍耐と根気に優れています。彼と一緒に働くなかで、私自身も教えられることが多々ありました。他の警備スタッフも彼の前向きな姿勢を見習ってほしいと願っています。

 センさんは、毎日11キロを自転車で通勤しています。道路状態の悪いカンボジアでは、この道のりは楽ではありません。今回、最優秀スタッフの副賞として、湯沸しポットを贈呈されました。長い距離を自転車で走って疲れたあとに、これでスープを作って、元気を回復してほしいものです。
 当病院で働けることをたいへん誇りに思うというセンさんは、次のように語っていました。
 「この病院には本当に感謝しています。この場所で祖国の人々が救われていることに、いつも感動を覚えます。私はまだ若輩のスタッフですが、このようなすばらしい環境を与えていただいたご恩に報いるべく、大好きで尊敬するスタッフの方々とともに、精一杯責任感をもって任務を果たしていきたいです。」
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