プノンペンに娘と住む六十八歳のイ・ロスさんが、激しい胸部圧迫感と呼吸困難を訴えて来院したのは、深夜一時のことです。
幸い二十四時間オープンしている救急治療室で、ただちに胸の痛みを和らげ血圧を下げる処置を施した結果、すみやかに症状は快方に向かいました。
その後、超音波画像診断の結果、心臓への血流量が減少していることが判明し、内科病棟に入院となりました。イ・ロスさんは、以前に重症の心臓発作を起こしていたようです。
しかし七日間の入院中に徹底した治療が行われた結果、めざましく病状が改善。狭心症と高血圧をコントロールする薬を処方され、無事退院、帰宅できたのでした。
今後は、当病院の外来クリニックに通院することになります。
自宅でキャンデイーを売るだけのわずかな収入で生活しているロスさんは、あの夜、この病院に来れなければ、死んでいたと思います。
親戚がシアヌーク病院の存在を知らせてくれたことに、とても感謝しています。 |