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2009 3
マンスリーレポート
患者の物語 ハム・ナエックさん
患者の物語
「助けていただき、感謝しています」

苦難に耐えた年月

 ハム・ナエックさん(64歳)は、10人の子供に恵まれました。しかし、ポルポト政権下に、3人の子供が栄養失調のために命を落としました。彼女は飢餓でお乳が充分に出なかったことで、子供を死なせてしまったと、自分を責めていたのです。
 ハムさんはカンポン・トム地方で生まれ、今日まで、この村で稲作農家として暮らしてきました。自分達で土地を持つほどの蓄えを持ったことは、一度もありません。ハムさん夫婦は、農地の一部を借りて稲作を続けてきました。ポルポト時代には、近親者が次々と死んでいくのを目の当たりにしています。こうした長年の苦しみを、ハムさんは、「飢え、戦争、そして、不安と向き合う10年でした」と訴えます。
 

今なお、戦う人

 2008年4月、ハムさんは呼吸困難を訴えました。お金は全くないものの、医者に診てもらう必要性を感じたハムさんは、近所の人々に、どこか無償で診てもらえる所はないか聞いてまわったそうです。その時、彼女の娘の友人が、シアヌーク病院ホープ医療センターを紹介してくれました。その友人も、シアヌーク病院で2007年に治療を受けていました。

 現在は、娘さんとプノンペンに住むハムさんは、隔週でシアヌーク病院に通って、心臓と肺の検査を受けています。医師は、彼女の高血圧や心臓に合った薬を処方し、入念に彼女の健康状態を監視しています。
「シアヌーク病院は、私のように貧しい者にとって、素晴らしい病院です」とハムさんは言います。
「蓄えのない私達は、これまで病気にかかれば、死ぬまで放っておかれるのが常でした。ですから、医師のメディカル・ケアのみでなく、無償の薬がいただけることは本当に助かります。自分の力では、自分の症状に見合った薬を買うことは到底できませんでしたから。助けていただいて、本当に感謝しています。」



3月の出来事

● 2009年3月11日、病院3回目となる内科医卒業式が行われました。ソク・ティノ医師、カイム・ソフィー医師の両名は厳しい研修プログラムを見事終了。モム・ブンヘーン保健省長官(Dr.)にもご出席いただき、式がとり行われました。2000年に発足して以来、シアヌーク病院から、これまで18名の内科医を送り出してきました。その多くは、今も当病院で働きながら、後輩医師のトレーニングを行っています。

● 2009年3月16日から20日、シアヌーク病院では、トレーナーを育てるための全国トレーニング・ワークショップを開催しました。「カンボジア地域レファーラル病院における複雑なマラリア対処法」と題したトレーニングは、シアヌーク病院のマラリア・チームが開催する、3つのトレーニング・ワークショップの第一回目となります。寄生虫、昆虫、およびマラリア対策国立センターの副センター長ケン・シム医師出席のもと、開会式が行われました。9つの地域から、48名がワークショップに参加しました。次回は、2009年7月に開催されます。



2009年3月 月間優秀職員

ソル・メアス氏 放射線科リーダー
 ソル・メアス氏は、1996年の開業以来、放射線部(レントゲン科)で働いてきました。今回は7年ぶり、二度目の月間優秀職員賞受賞です。

 ソルさんの素晴らしさは、彼の熱意、そして、勤勉さです。部署最年長でありながら、彼は最も積極的です。レントゲンの故障の修理や、スタッフが足りない分の超過勤務を行ったり、また、研修中の学生に自分の持つ知識を教えるなど、問題のある場所や手が必要な場所には、常にソルさんがいます。また、貧しい患者にも常に温かく、思いやりを持って、そして敬意を持って向き合っています。

 授賞式で、ソルさんはこう語りました。

 「開業以来、この病院は大きく発展しました。開設当初は、寄付された古いレントゲンの機械しかありませんでした。しかし、今では、他のカンボジアの病院では見られないほど、X線透視検査が可能な最先端の機材が揃っています。病院の経営陣の皆様、そして、ご寄付いただいた心ある皆様のお陰です。
私は、良い仕事をする上で、3つの大切な要素があると信じています。一つは、病院の方針に従うことです。二つ目は、4つの大切な価値観を持ち続けること。それは、『優しさ』『敬意』『思いやり』、そして『誠実さ』の4つです。三つ目は、所属部長に従って、シフト中一生懸命に働くことです。私は常にこの三つの事を大切に、毎日仕事に向かっています」


タイ・セオン氏 セキュリティー部門
 タイ・セオンさんが、シアヌーク病院のセキュリティー部門に勤務して、5年が経ちます。もともとは、長期療養施設のセキュリティーとして配属されましたが、一年のうちにチーム・リーダーに昇格しました。後に病院に異動になり、通常のセキュリティー以外に、救急車の運転任務も任される立場になりました。二つの任務を遂行するタイさんですが、責任感ある職員として、実績を積んできました。いつも時間通りに出勤し、周りからの注意も真摯に受け止めます。彼は周りが注意してくれることで、自分自身の間違いに気付き、成長できたことを感謝しています。

 受賞に際し、タイさんは次のように述べています。

 「いつかはこの賞をいただければと望んでいましたが、まさか本当に、自分が月間優秀職員を受賞できるとは思ってもいませんでした。こうして賞をいただけて感動しています。皆さんのご支援に感謝しています!」

 
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