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HIVへの取り組み
HIV/エイズカウンセラー ヴァイゼル氏とチャントーン氏、HIV部門代表のホール医師、HIV治療医ネビー医師とファン医師
 HIV(エイズウィルス)は、多くの患者やその家族の命を悲劇的に奪っています。私たちはAIDS に付随する重病の治療に全力を注ぐと共に、予防教育や家庭での健康管理、またサポートにおいて先導的役割を果たすことを目指しています。

 カンボジアは、およそ18万人がHIV に感染し、毎日新しい感染者が70 〜100人発生し、2000 年には人口の3%に感染が普及すると見込まれている、アジアで最も深刻にAIDS が流行している国です。

 60%の識字率や、平均2 年半しかない学校教育、貧困、栄養不良そして他の性的感染病の普及率の高さなどが災いして、新しくHIV に感染する人の数は世界で最も早く増加しています。

 セックス産業の従事者のHIV 感染率は42%で、アジアでは最も高い割合です。AIDS 患者の40%は女性で、そのうち妊婦が占める割合は26%です。この危機的状況を食い止めるには、肺炎や結核症、その他の感染症などAIDS による副次的な病気の発病を予防しながら、人々にAIDS 予防のための教育を行っていく必要があります。

 HIV/エイズ部門は外来患者と入院患者へのケアを改善する努力をしています。またシアヌーク病院では、ボランティアを育成するためのボランティア・トレーニング・プログラムを開発しました。ボランティアは、自分の時間を割いて一般の人々へ予防教育を提供したり、末期症状の患者に、仲間づきあいや食事や個人的なケアを通じて勇気づけるなどの活動を行っています。


HIV 部門
後列左からスティア氏、ファン医師とホール医師、訪問したワールド・エイズ・デイの代表団の人々、ガムリー医師とギフォード医師
 カンボジアを覆うこうしたHIV の悲劇を認識し、予防や患者のケア、スタッフのトレーニングの活動により多くの力を注ぐため、私たちはHIV 部門を設立しました。医師や看護婦、専門医を補佐するスタッフによる情熱的なチームは、先導的なカンボジアのHIV 治療医であるファン医師とネビー医師の指導を受けるため、ホール医師によって集められています。

 またHIV チームには、2人のHIV カウンセラーとチャブリス氏が、世界銀行から資金提供を受けているボランティア教育プログラムのためのボランティア・コーディネーターとして含まれています。看護婦たちの役割には、予防教育、検査やカウンセリング、患者のケア、管理、治療における他のスタッフのトレーニングなどが含まれています。

HIV 検査とサポート
 毎月90 人の患者の臨床的なHIV 検査が行われ、その70 %が陽性という結果が出ています。
私たちはHIV 患者に対するカウンセリング、検査の実施、ケアの分野での役割に対する認識を高め、医療サービスと患者のケアを統合するために政府機関やその他のNGO と協力しています。
HIV サポートグループは、患者を励まし、彼らの友人たちにAIDS についての教育を行うリーダーシップを取るため、そして患者の精神的支えになるため、1996 年に活動を開始しました。

ボランティア活動
病院へ入る際に注目を浴びるAIDS患者
 1997年、プノンペンの街頭や近郊地域で行われたボランティア AIDS Awareness キャンペーンでの実績は、12カ月間に渡って活動を続けたボランティアの励みとなりました。彼らは毎日AIDS 患者に会いに、自宅や病棟へ足を運びました。

 今年、このグループにおいてレギュラーで活動する3 人のボランティアが、WHO (世界保健機構)が統括するフルタイムのAIDS ホームケア・チーム・パイロット・プロジェクトのメンバーに選ばれました。これは、地域に住むAIDS 患者の看護および支援的なケアの提供方法を改善するための活動を、自宅を基本にして行うという、カンボジアでは初めての取り組みです。

 またHIV部門は、世界銀行とKHANA (Khmer HIV/AIDS NGO Alliance )からも、患者の物理的・精神的ニーズに応えるHIV/エイズケアにおいて、57人のボランティアが更なるトレーニングを行うための資金提供を受けています。

 14週間に渡って毎週土曜日に4時間勉強する、この追加の教育プログラムにより、自分の時間を割いて一般の人々に予防教育を提供するボランティアたちは、これからもカンボジア全土に大きな影響を与えつづけていくことでしょう。


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