マオ・ポムさんは、プノンペン郊外の州出身の47 歳の盲人です。7 年前、落下して、左手首を複雑骨折しました。伝統的な治療法を受けたために、骨はいびつな形で治癒しています。
その後数カ月間にわたって、彼の手首はどんどん腫れ上がり、ひどい痛みに苦しみました。地元で治療も何回か受けてみましたが、十分な治療設備に恵まれていないのと、栄養不良のために、症状は悪化するばかりだったとのこと。
X線と細菌検査の結果、感染により手首の骨が冒されていたことが判明。抗生物質を投与しても症状は改善されず、手首と腱の損傷部分に対する外科処置が行われました。
すでに痛みはひいて、安眠できるようになり、手首と手の機能ももどりつつあります。まもなく、心優しい家族の待つ家に帰れることでしょう。
ポムさんは、7歳のときに眼病を患い、伝統的な治療家のところに連れていかれた結果、両眼の視力を失いました。妻は米作農婦として激務につかねばならず、彼自身はクメール音楽の演奏家として糊口をしのいできたといいます。結婚式や、お祭りの時にトロールという弦楽器を弾き、1 日に3.5 ドルほど稼いで、家計の足しにし、7 人の子どもを学校にやってきました。「ここで治療を受けられたことは本当に幸運で、感謝の思いでいっぱいです。手首の激痛は、7 年間続いていましたから」 |